Vampire Weekendの何がダメか
Vampire Weekendをご存じだろうか。
ご存じだろうかと言っておいていきなり申し訳ないが、この記事はVampire Weekend(以下VW)を知らない人を対象とした記事ではないので説明は省かせていただきたい。
とはいえVWを知らない人を完全に捨てるのも閲覧数とかそういうので困るので一応クッソ雑に説明させていただくと
これで
これである。
これだけ聴いて「あ~、そういうね。西海岸的な。」みたいな印象を持たれてもちょっとアレなのだが、大体間違ってないのでそれでいいです。
本題
まず言っておくが、私はVWが大好きである。全アルバムに1曲も捨て曲は無いと思ってるし、だいたい全部好きだし、Tシャツまで買った。多分一番好きなバンドである。
このバンドを好きになったからこそ分かるが、熱狂的なファンが(おそらく)いない。これが先ほど「多分一番好きなバンド」と書いた"多分"の理由である。
1stから世界中で爆発的に売れ、3,4枚目のアルバムが連続でグラミー賞受賞。世界中の批評家からも絶賛され、執筆現在最新作である4枚目のアルバムでも実力が落ちることなく、ファンを公言するアーティストも多い。
だが、いない。
熱狂的なファンが、おそらく、一人も、いない。
ここまで売れ、実力も認められ、誰も文句のつけようのない完璧な音楽。
ファンも多い。
だが、熱狂的なファンは、おそらく、一人も、いない。
なぜか。
その理由をフィーリングでなんとなくわかっちゃいたものの文章に出来る気がしなくてやめていたが、この際書かなければ記事にならないので頑張って書こうと思う。思います。
熱狂的なファンがいるバンドといえば何があるだろうか。
パッと思いついたのがThe Beatles、My Bloody Valentine、Slipknot、Nirvana、Radioheadあたりだったが(なんでだよ)、これを例に解説していこうと思う。解説というほどでもないので肩の力は是非落としていただきたい。やめろ。力むな。寝ながら読め。
ここの2つが熱狂的支持を受ける理由はやはりその革新的な音楽性だと思う。今まで無かったモノを生み出す神・天才はやはり支持を受けるわけだ。おれも好き。
ビートルズやマイブラはその後の音楽界に大革命を起こし、シーンをひん曲げてしまった。まじスゴイ。偉人。(マイブラでシューゲイザーブームが終わったとも言われてたし不適かも。ごめん。)
対してVW。言っちゃ悪いが、何かを"生み出した"とは思えないし、その後にVWのフォロワーバンドが生まれたかと言われれば全然である。
様々な人のレビューなどを見ても「それを組み合わせるとそうなるのか!」「その手があったか!」「バランス感覚が完璧だ!」というような意見が多い。
『天才』というより『コイツら頭いいな』というかんじだ。
ラーメンで例えるなら超絶ウマい塩ラーメン。こっちもそりゃ売れるが、今まで存在しなかったドロッドロのとんこつラーメンを出す天一の方が中毒者が多いだろう。(ラーメン事情は全く知らないのでどこが元祖とかは追及しないでください)
よってジロリストや天一中毒者(愛称あるのかな)の如きファン、いや信者を抱えるビートルズやマイブラとは違うVWはやはり神格化されず、「あー、あそこね。あそこのラーメンウマいよな。」程度に落ち着いてしまうのだ。残念。
私がこの辺に疎いのであまり書けないのだが、プレグレ系とかP-Modelとかのエレクトロ系?もこれだと思う。それに次の項目のやつとちょっと被ってる。
それは、世界観である。というか風貌?ファッションとか。その辺。(雑)
私も好きだけどあえて言うけどもスリップノットの音楽性は正直真新しいものはそんなに無いと思うので、楽曲だけでなく風貌、パフォーマンスの何から何まで徹底した攻撃性、という世界観がウケたのだろう。
プログレも「さてさて何回驚かせてやるかな?」みたいなそういう魅力のジャンルだと思っているので、この辺だと思う。
歌詞の独特さ、というのもここに入れたい、が、やはり次の項目と被るのでやめておきたい。早く次の項目が書きたい。そんなことはどうでもいい。
対してVWである。世界観はどうだろう。
MVを見てみると、大学生みてえな服、ビシッとスーツ、バロックの貴族?
ダメみたいです。こいつら。
インタビューとか読むと「僕らはずっと大学生みたいな恰好でやっていきたいんだ」的なことを言ってまして、じゃあ大学生キャラなのかな?としたとしても、それってキャラなのか?と。
歌詞は私はアホなのでよくわからんが、なにやら難しい内容らしい。じゃあそういうキャラで押し出すのかと言われればそんなback numberみたいにずっと失恋でもないしSyrup 16gみたいに生死の話をずっとしてるわけでもないしで、キャラ付けにならない。
加えてパフォーマンスも...そりゃ変なことはやらないよと。残念。
ニルヴァーナ、レディヘ
まあ正直この記事はこれが全てみたいなとこあるのだが、そう、カリスマ性である。
ニルヴァーナとか正直私そんなに好きじゃなくて、なんでかっていうと音楽性が大して革新的じゃないじゃないですか。(っていうと最初の項に反するのでじゃあなんでVW好きなんだよって言われてもう~~ん....)
レディヘはまあ変な音楽やってるが、それよりもトムヨークという男の存在によりあそこまでの、マジで宗教になっているのだろう。カートコバーンも然り。てかカートマジで宗教。なんで?(←ggrks)
リバティーンズやThe Whoにはもうほんとにドラマ的な人生が~とかで熱狂的な信者がそりゃ付くし、ビートルズに至っては4人とも、ってかもうサイドエピソード語られ過ぎてマジで神話レベル。
さあ、対してVW。
メンバー4人中3人がソロ活動を始めているがその成果は今の知名度の通りそこまでハネず。なにかブッ飛びエピソードもなければドラマ的な結成秘話もなく普通に大学で結成。強いて言えば名門大学ってくらい。ほんとに。
絶頂期にフロントマンが自殺するわけでもなく(これはマジでしなくていいが)、普通に23歳を過ぎ、あっ、グラミー賞取ってたな。けどそれで神格化されるわけでもないのでやはり....ね。残念。
さいごに
ハッピーになりながらノリノリで聴いていたら母に「このバンドってファンいるの?」と言われた。さすがにマジでムカつく...わけでもなく、まあね、と思ったし反論もしなかった。しても負け戦だし。会話は戦争じゃ。
ファンがいないはさすがにないが、「VWに憧れてバンド始めました!」なんて奴は一人もいないだろうし、「VWのように俺もずっと大学生ファッションで生きるぞ!」なんて奴は今すぐスーパー行ってメンズノンノを買ってきてください。
歴史の教科書を読んでもそこに載るのはやはり後の世を変えた人間であって、江戸で一番エロい女は載らないのだ。
したがって明日もしVWが解散したとしてもユニクロがTシャツを作ったり感動のライブまでの伝記映画が作られたりなんかしないだろう。
しかし俺はVWが好きだ。
俺以外の大勢も愛している。
VWが忘れられることは決してないだろう。
VWはこの先も素晴らしいバンドであり続けるだろう。
しかし、一つ言わせてもらうなら、
VWは伝説のバンドにはなれない。
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うるせえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!
だからなんだってんだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
俺はVWが好きだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
追伸
そういえば思ったけど、トーキングヘッドも同じだよね。
すっげーかっこよくてトリッキーなんだけど、やってることがあまりにハイレベルというか頭が良すぎて、誰もマネできないっていう。
トーキングヘッドが今『知る人ぞ知る伝説』みたいになってる(?)から、VWもそうなるのかもね。
トーキングヘッド、かっけえよね。ね。
了