「RAGE AGAINST THE MACHINEの歌詞には深みがない」という意見を読んだが私はそうは思わんぞーみたいな

RAGE AGAINST THE MACHINEの同名アルバムのAmazonレビューで「(こいつら)の歌詞には深みがない。ただただ名指しで批判をしているだけ。そんなの面白くない。」みたいなことを言って低評価を付けている人がいた。

なるほどなぁと思い、同じように政治的ニュアンスの歌詞でおなじみ(なのか?)のSystem of a downさんを聴いた。聴いたというか歌詞の和訳を読んでいた。

 

隠喩、隠喩と隠喩比喩だらけの歌詞で、面白かった。

和訳を読んでもなお「??」となり、それぞれの単語が何を指しているかの解説を読んでもなお「なるほ・・・ん??ん?」となるようなわかりにくい文章。面白い。

 

こういう歌詞のことを指して「深みがある」とあのレビューの人は言っていたのではないだろか。

確かに深みあのある歌詞。すぐには分からない歌詞は面白かった。

 

しかしだ。

System of a Down=深い歌詞の代表

と考えて話をさせてもらうと、それは面白いと言えるが、逃げているだけともとることが出来る。

逃げている、というのは極端な言葉ではあるが、私が言いたいことの意味合い的には何を言おうとそんなかんじだ。

 

System of a Downの歌詞は、意味がわからない状態で読むと、ただの文字列である。

そのパズルのピースの意味をそれぞれ理解し、組み立てる、という面白さがあるわけだが、パズルのピースのままではパズルのピースでしかなく、何の意味も持たない。

しかも組み立てたとしてもそれはやはり直接的な意味合いであり、RAGE AGAINST THE MACHINEと何ら変わらない。

 

日本のバンドではあるがandymoriは『そのまま読むとなんとなくボヤっとしたイメージが付くが、本当のテーマであることを知った上で読むとハッキリとイメージが付く。』という歌詞になっている。そしてそのハッキリとしたイメージというのがこれまた政治批判(だったり違ったり)なのである。

これこそが深みのある歌詞なのではないだろうか。

天才の作る文章。

文字から読み取るイメージによって何者にでも変化させることができるが、本当のテーマと置き換えたときほどハッキリはしていない、というマジック。ロジック。

 

 

まとめであるが、はっきりいってだからどうしたという話である。

 

andymoriが目指したものは文学であって政治批判ではないはずだ。

実際は政治批判で、君が想像したものと紙一重の存在であるほどに政治は近いんだよ、ということを伝えたかったのではないだろうか。

 

System of a Downが目指したのは、意味もなく叫ばれる文字列、とくに激しい曲調のバンドの歌詞にほとんど意味はないのでそのように文字列をファンに覚えさせてるだけのように見えて実際は政治の関心への入り口とする、ということをしたかったのではないだろうか。

 

そしてRAGE AGAINST THE MACHINEは、ただひたすらにどんな批判も弾圧も恐れずに「ヘイト」を、「問題提起」を、「行動」を訴えかける歌詞を伝えたかったのではないだろうか。

そのためには隠喩などしている暇はない。

時間がないのだ。

行動するには今すぐ立ち上がらなければならないのだ。今すぐ。

 

RAGE AGAINST THE MACHINEの歌詞自体の深みはそれほどなく、どんな歌詞よりも、人類の中で何よりも深い、深い、「歴史上の過ち」のあくまで説明文であり導入文であるのだと思う。

そして今も動いている政治によって、「歴史上の過ち」の新たなページが刻まれる前に行動をせよ。それを阻止せよ。という意味なのだと思います。

 

いやー日本は平和だ。(台無し)