通常な人間は、誰も音楽なんて聴いちゃいない。

この余白を、こんなに歳を重ねるまで気づくことのなかった阿呆のようやくの気付きを述べるスペースとさせてもらう。



現代日本の通常な人間。
誰も、誰一人として

耳で音楽なんぞ聴いちゃいないのだ。



誰もが音楽を聴いている。いや、聴いていない人もいるだろうが。
聴いている人。聴いている。音楽を。

違う。

アーティストが歌う音楽を。バンドマンが弾くギター。
違う。
彼が弾くギターを。彼が歌う音楽を。

歌詞に共感し、歌詞に奮い立たせられる。歌詞の載ったサイトを見て、共感を行う。
ライブに行って、ライブをするアーティストを見て、泣く。
ライブに行って、ライブを肌で感じ、奮い立つ。



誰も、耳で音楽を聴いちゃいないのだ。
それが通常の人間である。

「おほうメロディどシコぉぉ!!!wwwおほぉーーwww!!!」なんて叫んで、自転車を漕ぎながらギターのリフを口ずさむ。
いや、これはただの変態か。(わからんけど)

ふと耳に流れ込んできたメロディ。誰か知らないけど、メロディ。
それで好きになれる、そんな感覚の持ち主が、現代にどれほどいるのか。


ダンスに使われたこの曲。
ダンスが踊りやすいこの曲。
大好きなドラマの曲。
大好きなドラマの曲を担当したバンド。

だから好き。


音楽に正解など無いことはとっくに理解している。

だのに、これを理解できていなかった。

阿呆である。

あゝ、哀れ。



死ぬしかないバンド産業。それでも愛そう。乾杯。